ダルメシアン柄のダリア −− 暗い色の花器のススメ

生徒さんの作品です。可愛いダルメシアン柄のダリアです

 

綺麗な赤と白い模様がおしゃれな雰囲気です。

 

灰色の花器と合わせて、明るい赤が目立つように生けています。

 

備前焼などの灰色や茶色などの暗い色の花器は、桜、ぼけ、バラなど明るい色や淡い白っぽい色のお花と合わせると

 

明暗のコントラストがつくのでお花が引き立ちます。

 

透けるような淡いピンクの桜のお花が綺麗なのは、ゴツゴツした濃い茶色の幹とのコントラストに引き立てられているから、と言ったらわかりやすいでしょうか。

 

夜桜が綺麗なのはあたりが暗いから。谷崎潤一郎の『陰翳礼賛』の世界ですね。暗い中でこそ明るい色や、光が生きてきます。

 

われわれ東洋人はなんでもない所に陰翳を生ぜしめて、美を創造するのである」(谷崎潤一郎『陰翳礼賛』より)

 

光と闇という点から日本人の美意識を解いた、90年前の名著の精神は、お花をいけるときにも生かせますし、お正月の神社のたいまつの綺麗さでも、夜桜でも、日々の生活に息づいていて感じることができますね。

 

年末年始と、これから伝統行事などに触れることも多いシーズンですので、ぜひお花や日々に『陰翳礼賛』の世界を感じて楽しんで頂ければと思います。

 

備前焼に生けた紫陽花とこむらさき
備前焼に生けた紫陽花とこむらさき

 

 お家でも、備前焼など、灰色や茶色など暗い色の器が一つあると、いろいろなお花と合わせやすいです。

 

黒い花器は、洋風のナチュラル系でまとめた白っぽいお部屋には少し印象が強くなるかもしれませんが、備前などのナチュラルな色はどのお部屋にも合いますので

 

普段のお花を生けるときに、ぜひ暗めの色の花器も、試して見てくださいね